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東京

 みなさんこんにちは。  リアライズの翼です。  僕は先週末に東京で行われた研修会、第18回全国障害者生活支援研究セミナーの2日目の分科会「行動障害のある人の本当の思いの理解に向けて~行動対応vs意味了解的アプローチ」(support-ken.net)に参加してきました。 その報告をさせてもらいます。 ちょっと長くなりましたが、興味のある方は読んでみてください。

 講師は、大阪の西淀川区にある社会福祉法人水仙福祉会の姫島こども園の園長である岩崎隆彦さんで、僕は縁あって岩崎さんからお誘いを受けて、東京日帰りの弾丸ツアーを決行し、お話を聞きに行ってきました。 お金とエネルギーをめちゃかけて行ったので、研修会では最前列のど真ん中の席に座り、目を出目金のように見開いて、耳をダンボのようにして集中して聞いていました(後ほどお金はリアライズから全額支給されました!なので、この報告をがんばって書こうと思いました)。

ここで少しだけ岩崎さんがいる水仙福祉会について紹介すると、大阪にあるこの法人は60年の歴史があり、ずっと昔から子どもたちを障害のあるなしに関わらず保育園に受け入れ、統合保育を実践してきました。  その後、子どもたちが、学齢期、思春期、成人期へと成長していくのに合わせて、その家族を含めて必要な支援を法人全体で取り組んいることが特徴です。 その姿勢は、「そこに問題があれば、何を差し置いても取り組まねばならない」という信念で、「人やお金は、後からついてくるものだ」です。

研修会での岩崎さんのお話しは、障害種別や障害のあるなしに関わらず、人間は、基本的信頼関係をベースにして、他者との関わりの中で自分の世界を拡げていく存在である、という考え方に貫かれた実践報告でした。 どんな人も自分の意思、感情、内面世界を持っていて、自分のことを理解してくれる人を探している。だから、本人の本当の思いを理解し支える支援を「意味了解的アプローチ」と岩崎さんは呼んでいました。

 「行動障害は本人が持って生まれた問題ではなく、本人と周りの人との関係、つまり本人の理解、支援の関わりのあり方によって、二次的、三次的に作られたもの」とし、行動はその人の心の状態を映し、その行動を「言葉」として受けとめていく必要がある。  そこには、目の前の人を障害者として見る前に、一人の人間として尊重し、向き合い、付き合おうとする姿勢がありました。

 僕たちは、目の前にいる人の受け入れがたい言葉や振る舞いについて、「この人は◯◯だから」とか「どうせ言ってもわからない人」として、相手だけに問題の原因を探して、一方的に決めつけたり、思い込みの中でわかったつもりになることがよくあります。  そこには多くの間違いが含まれていて、相手の問題にすることで、自分のわからなさ(不安な状態)に身をとどめることを避けていたんだろうと思います。

 相手とのやり取りの中で、「なんでかな?」と感じることを、「なんとなく」わかったつもりになったり、そんなものだと受け流すことをなるべくやめてみると、そこには確かにわからないことが存在します。  そのわからなさがどこからきているのかを自分の側にも引きつけて考えてみると、これまでとは異なる形のコミュニケーションが生まれるはずです。そんな意識で相手と対話をしていくと、だんだんと自分のコミュニケーションのかわし方が、相手を排除したり、わからなくさせる原因になっていることに気づけるようになっていくのかもしれません。

 岩崎さんの実践を聞いていると、こんなふうに目の前の人を信じて、暖かいまなざしを持って見守ってくれる人がそばにいてくれたら、いろんな人が安心して生きていられる社会になるんだろうと思いました。  僕はもう一度自分の対話のあり方を見つめ直す機会になりました。  このような貴重な機会を作っていただき、ありがとうございました。

 (文:長瀬つばさ)

 ↓この連載は大阪にある社会福祉法人「水仙福祉会」が発行しているもので、全てホームページから読めます。冊子でも1冊300円で販売しています。オススメです!

姫島こども園 園長 岩崎隆彦の文章 【姫島こども園「園だより」より】 http://www.suisen.or.jp/himejima_kodomoen/entyou.html

『大人と子ども「見るー見られる」関係を基本に考えましょう』より ── 一部抜粋 ──

私たち大人が子どものことを「この子は○○だ」と判断・評価しているように、子どもの方も「この人は□□だ」と大人の態度を見ています。大人と子どもは、いつでも「見る-見られる」関係にあります。 ……子どもは絶えず周りの大人の見方やかかわりから影響を受けています。言葉や行動ではっきり表現していなくても、子どもは一個の主体としてちゃんと意思や感情を持っています。大人を困らせようと思っている子どもはひとりもいません。 http://www.suisen.or.jp/himejima_kodomo…/entyou_siten11.html

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